医療機器の設計・開発・申請における規制要件

医療機器としての必要な要件:品質(Quality)有効性(Efficacy)安全性(Safety)
医療機器の規制目的:「良質高度な医療製品の国民への提供」(推進)と「医療機器の安全性と効果効能を規制することで国民の健康被害を防止」(規制)

平成25年11月27日、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、薬機法)制定:旧薬事法を改正

薬機法で規制される製品は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の5つ

厚生労働省又は経済産業省が製品の研究開発を促進するアクセルの役割
PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が審査・承認や必要な規制をするブレーキの役割

医療機器製造販売業の許可、品質保証体制安全管理体制の構築:厚生労働省令で定める基準に適合
基準の一つ目は、「申請に係る医療機器又は対外診断用医薬品の製造管理又は品質管理に係る業務を行う体制:厚生労働省令94号(体制省令)による

基準の二つ目は、「申請に係る医療機器又は対外診断用医薬品の製造販売後安全管理の方法:生労働省令第135号GVP(Good Vigilance Practice)省令に適合

医療機器の製造販売業許可業者は、これらの省令にしたがって、適切に、医療機器の品質管理・安全管理を行わねばならない。

医療機器を規制する3つの要素:市販適合性評価承認認証届出等)
市販適合性評価には、国(PMDA)が承認するものと、民間の認証機関(ノーティファイドボディ(NB))が認証するもの、届出だけで流通させられるものがある。

医療機器はそのリスクに応じてクラス分類がなされており、クラスIクラスIIクラスIII日本の場合はクラスⅣ

市販適合性評価:上市する前に、製品(品目)自体安全性、かつ効果・効能規定要求事項を満足している必要がある。

品質の確保QMS(品質マネジメントシステム)調査(QMS省令体制省令) 新規の医療機器を申請または認証審査された場合に、QMR省令に従った当局のQMS調査(査察)がある。 医療機器の製品ライフサイクル全体の管理が適正に実施されていることが調査され その際に品質が適切に管理され、品質の良い製品が出荷されるようになっていることが調査される。

QMS適合性調査には、製造所に実際に調査官の方が訪問する実地調査と、設計文書や製造文書を当局または認証機関に送って書面で調査するという信頼性調査の2通りがある。 ISO-13485認証を取得していれば、実地調査が軽くなることや免除されることも多々ある。

市販後安全管理(GPV省令) 上市後の製品の安全情報を収集し、分析し、評価して、必要な措置(回収・不具合)を行う。(GVP省令に基づき実施する)

1997年に米国FDA医療機器QSR(Quality System Regulation:品質システム規則)という新しい規制要件を発出
欧州ではISO9000から医療機器に特化して作られた国際規格ISO-13485が独立

今般、ISO-13485の2016年版(ISO-13485のバージョン2.0)が発出されが、これは1997年に米国FDAが発行したQSRとほぼイコールである。
日本でも5年遅れて2021年3月26日QMS省令とISO-13485の2016年版との整合を図った改正QMS省令が公布され、経過措置期間は 3年間で、2024年3月26日(改正省令の施行の日から起算して3年を経過する日)には新QMS省令を遵守しなければならない。

品質面:ISO-13485の2016年版に準拠することにより、日米欧の要求事項に適合
安全性・有効性の問題は別の規格あり。

以上

参考にした動画:医療機器の設計・開発・申請における規制要件入門 (2020年12月6日付 イーコンプライアンス作成)