AI医療革命 ChatGPTはいかに創られたか

原著タイトル:The AI REVOLUTION in MEDICINE GPT-4 AND BEYOND
著者:ピーター・リー、アイザック・コハネ、キャリー・ゴールドバーグ
訳者:イノウ
発行所:ソシム株式会社
印象に残ったこと:
序文より、「本書が、GPT-4やその後継バージョンがヘルスケアや医療にどのように統合されるかについて、今後予想される活発なや快適議論の一助となれば幸いである。」(サム・アルトマン)

GPT-4は、医療とヘルスケアを改善するゲームチェンジャーの可能性を秘めている
リスクもあるため、可能な限り広範囲のテストを早急に開始し、その限界を一般に理解させることが不可欠である。
その潜在的な利点から、可能な限り広範囲でのアクセスを確保するための作業も早急に開始しなければならない。

GPT-4は検索エンジンではない、その代わり、GPT-4は入力に対して、きちんとした根拠のある答えを返そうとする。
そして、GPT-4は単に答えを返すだけでなく、会話することにこだわっている。
GPT-4はつねに真実を語るのか→間違えた答えを出す場合がある
GPT-4は現在進行形。
ヘルスケアや医療におけるGPT-4の役割は、ある程度の限界や制約があるかも知れないが、後続のAIシステムが医療において人間の能力に近づき、それを凌駕することは避けられないと考えられる。
したがって、我々の社会にとって最も重要なことは、人間の健康に最大限の利益をもたらすために、この人工知能の進化に合わせて、医療へのアプローチをどのように進化させるのがベストなのかを理解することである。

GPT-4、あるいは純粋に言語だけで訓練されたAIシステムは、読んだり書いたりしたものを「理解」するはずがないという見解は正しいと感じる。
GPT-4の雄弁さと明らかな創造性は、新しいアイディアと新しいアプローチを呼び起こす。
人間のように「理解」できるかに問わず、GPT-4は、診療所から研究室に至るまで、我々の理解を大いに助けてくれるだろう。

GPT-4は医学の専門的な訓練を受けていない
GPT-4は、医学に関する後半な知識を持ち、一般的な臨床シナリオでも稀な臨床シナリオでも、推論、説明、共感できる。
Gpt-4を米国医師免許試験(USMLE)の問題でテストすると、GPT-4は90%以上の確率で正解している。
GPT-4は、提供された情報に基づいて、最初の飲料、最新の印象、提案された検査や診断を展開する際に、非常に有用で魅力的な協力者として働くことができる。
我々の世界にとって最も重要なことは、人間の健康に最大限の利益をもたらすために、この人工知能の進化に合わせて、医療へのアプローチをどのように進化させるのがベストなのか理解するこである。
GPT-4は不思議なことに論理的であり、常識的な推論もできる。
GPT-4は診療記録の作成に役立つ。
GPT-4は品質向上を支援できる。

結局のところ、社会として、この新しいAI時代の恩恵をフルに享受し、それを適切なタイミングで実現したいのであれば、医療界全体が共同で、適切な規制を導入するために、学び、受け入れ、そしてできる限り慎重に行動することが求めらえる。

考察:この本は、2023年3月16日にこの本の執筆(原書)されており、その2日前、OpenAIは、GPT-4を正式に世界に公開されている。それから、1年以上経っている。GPT-4をはじめとするAIはさらに進化してきている。いかに、人間の健康に最大限の利益をもたらすために、この人工知能の進化に合わせて、医療へのアプローチをどのように進化させるのがベストなのかを考える必要があると感じた。AIに医療の診断を任せることはできないが、活用することは必要であり、いかに活用するかがポイントと考える。
日本版のサブタイトルより、原著のサブタイトル「GPT-4 AND BEYOND」の方がこの本にあっているように感じた。
また、この本には、GPT-4の回答が1/3くらいのボリュームで記載されているのも考えさせられるところである。